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家賃滞納者を強制退去させる方法

貸し出している不動産において、家賃を滞納する人がいる場合、その分の収入が入ってこないことになり、当該不動産のオーナーは大きな打撃を受けてしまいます。家賃滞納者に対する対応としては、滞納者への支払督促や支払い請求などが考えられますが、以下では、中でも最終的な手段となる「強制退去させる方法」について詳しく説明していきます。

 

■強制退去させるためには
まず、強制退去とは、賃貸人が賃貸借契約を解除し、賃借人を賃借物たる不動産から家財等とともに退去させ、当該不動産の明け渡しをさせることをいいます。居住権は生活の基盤であるため、賃借人(借家人)の居住権は、借地借家法で手厚く保護されています。

よって、家賃滞納等の契約違反行為があったとしても、即強制退去させることはできず、あくまで交渉がうまくいかなかった場合の最終手段となります。

そして、強制退去が認められる条件として法律上に明確な基準があるわけではないため、裁判所は、その不動産や当事者の事情などを勘案し、過去の判例を基に判断しているのが実態です。過去の判例を参考にすると、以下のような状態が存在していれば、強制退去が認められる可能性が高いといわれています。

 

①長期間家賃を滞納している
まず、建物賃貸借契約書に、違約による解除条項として滞納に関わる記載があることが前提となります。
そのうえで、強制退去が認められるためには、最低でも3か月、通常は6か月以上滞納していることが必要となります。

 

②支払いの意思がない
例えば、滞納者と連絡が取れない、督促に応じないなど、滞納家賃を支払う意思がないと客観的に認められる必要があります。

そして、督促を行ったという証明のためには、配達記録郵便、内容証明郵便等の記録として残る督促が必要です。

もっとも、連帯保証人が代わりに家賃を支払った場合は、家賃滞納を理由とした契約解除は難しくなります。

 

③貸主と賃借人の信頼関係が壊れている
滞納者に支払いの意思がないことや、督促に応じ支払いの約束をしたにもかかわらずその約束を守られなかった場合などにも、信頼関係が壊れたといえるでしょう。もっとも、家賃滞納が一時的なものである場合や、貸主側が無理な督促を行った場合などは、信頼関係が破壊されていないと判断される可能性が高いです。

 

以上が、強制退去が認められる条件といえますが、上述した通り、強制退去はあくまで最終手段であり、手間や費用もかかります。

家賃滞納が生じた場合であっても、まずは滞納者へ電話や連絡をし、反応がなければ督促状や請求書、内容証明郵便を送付、というように、事前に手を尽くすようにしましょう。家賃滞納が続いてトラブルの発生が予見される場合は、早めに専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

 

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太刀掛 祐一Yuichi Tachikake

大阪弁護士会(49930)

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経歴

神戸市出身

homestead high school 卒業

慶應義塾大学 法学部 卒業

神戸大学法科大学院 卒業

弁護士登録

事務所概要

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